BEFORE YOU PLAY
この記事で分かること
- 「苦手」を場面とミスの種類に分けて、次の課題を一つ決める
- 成功率は試した本数と条件も残し、違う練習同士を単純比較しない
- 固定練習でできたことを、少しずつ試合の条件へ近づけて確かめる
練習しているのに、前より上手くなっていない気がする。そんなときは、練習量を増やす前に、最近困った場面を一つ思い出してみましょう。
「バックが苦手」ではなく「長い下回転が来るとネットにかかる」と分かれば、次に試す練習も選びやすくなります。伸び悩んだときに見直したい7つのポイントを、具体例と一緒に紹介します。
01まず、どんな球で困ったか思い出す
「バックが苦手」と感じたら、どんな球を返しにくかったか思い出してみましょう。最近の試合やラリーを少し詳しく振り返ると、次に練習したいことが見えてきます。
| よくある悩み | もう少し詳しく書くと |
|---|---|
| バックが入らない | 深い下回転をバックへ受けるとネットミスが続く |
| 試合で弱い | 8点以降に短いサービスを長く返して先に攻められる |
| 足が動かない | フォアへ動いたあと中央へ戻れず、次のバックに遅れる |
原因はまだ決めず、起きた場面だけを書きます。
021. 課題を一つに絞る
一度の練習でフォーム、回転、コース、速さを同時に変えると、何が結果に影響したか分かりにくくなります。最初は一つだけ選びます。
例:「深い下回転をバックへ10球出してもらい、ネットを越えた数を記録する」
期間も「上手くなるまで」ではなく、2回の練習または2週間など、見直す日を決めます。
032. 同じ球を繰り返し打ってみる

同じ球を出してもらう多球練習やマシンは、条件をそろえて比較する方法の一つです。ただし、多く打てば必ず改善するとは限りません。球速、回転、コースを変える前に、10球1組など短い単位で結果と疲れを記録します。
相手がいない場合は、一人でできる卓球練習のシャドープレーやマシン練習を使えます。
043. 動画は一つの角度・一つの項目で見る
動画は、自分の感覚と外から見た動きを比べる材料になります。しかし、トップ選手の形をそのまま正解として重ねても、体格、用具、打球条件が違います。
- 正面または横から、短い同条件の場面を撮る
- 構え、打球位置、戻りのうち一つだけ見る
- 他の利用者を撮らず、施設ルールと撮影同意を確認する
- 可能なら指導者に同じ動画を見てもらう
痛みや身体機能の問題を動画だけで自己診断しないでください。
054. 練習と試合の条件差を記録する
練習では返せるのに、試合だとミスする。そんなときは、相手の球の速さや回転、飛んでくる場所にも目を向けてみましょう。
- 練習は同じコース、試合はコースが読めない
- 練習は一定回転、試合は回転量が変わる
- 練習はラリー開始、試合はサービス・レシーブから始まる
- 得点、待ち時間、緊張でテンポが変わる
いきなり全面ランダムへ進まず、2コース、2種類の回転など、条件を一段ずつ増やします。
065. サービスとレシーブを別に数える
試合結果だけでは、どこで点を失ったか分かりません。1ゲームだけでも次を分けて記録します。
- 自分のサービスから3球目までに得点・失点した数
- 相手のサービスを台へ返せた数
- 長いレシーブと短いレシーブの選択
- サービスミスの数
サービスには16cm以上のトス、隠さないことなど公式ルールがあります。技術練習と同時に、ルールを守ったサーブになっているかも確認します。
076. 相手や球質を一段だけ変える
同じ相手との練習は条件をそろえやすい一方、違う回転やテンポへの経験は増えにくくなります。左利き、守備型、異なるラバーなどへ一度に広げず、今の課題に関係する相手を一つ選びます。
相手へ練習目的を伝え、「同じサービスを5本」「同じコースから開始」など協力してもらうと記録しやすくなります。
087. 体調・負荷・用具の変化を確認する
結果が落ちたときは、技術だけでなく次も記録します。
- 睡眠、疲労、痛み、暑さ
- 練習時間と休憩
- ラバー、ラケット、シューズを変えた日
- 練習相手と使用球
痛み、めまい、体調不良がある場合は練習を中止し、必要に応じて医療の専門家へ相談します。用具変更とフォーム変更を同じ日に重ねると、原因を分けにくくなります。
09困っている場面から、次の練習を選ぶ
同じ「入らない」でも、起きる条件によって次の一手は変わります。次の表をヒントに、試してみたい練習を一つ選んでみましょう。
| 観察したこと | 先に確かめること | 次の練習 |
|---|---|---|
| 固定した10球でもミスが多い | 球速、回転、打球位置が本当に一定か | 速度を下げ、1コースで10球 |
| 固定練習では入るが2択で崩れる | 構えへ戻れているか、判断が遅れていないか | 2コースだけをランダムにする |
| ラリーでは入るが試合開始直後に崩れる | サービス・レシーブ後の球質 | 最初の3球だけを反復する |
| 練習後半だけ結果が落ちる | 休憩、疲労、痛み、室温 | 時間を短くし、前半と後半の結果を分けてメモ |
| 用具交換後から感触が変わった | 交換日と同時に変えた条件 | 前と同じ練習で打ちやすさを比べる |
表に当てはまらない場合も、複数の原因を同時に直そうとせず、「次回に確かめる一つ」を決めます。
10記録を次のメニューへ変える具体例
「今日はミスが多かった」で終わらず、ミスが起きた場面を分けると、練習の優先順位を決められます。架空の練習記録を使って、考え方を見てみましょう。
練習ゲームで自分のミスを10本記録したところ、レシーブのネットミスが5本、3球目のオーバーが3本、ラリー中のミスが2本だったとします。一見するとレシーブだけを練習したくなりますが、まだそれぞれ何回試したかが分かりません。レシーブを30回して5本失敗した場合と、6回して5本失敗した場合では、同じ「5本」でも意味が違います。
ミスの数だけでなく、何球打ったかも数える
まず「短い下回転をツッツキで返した回数」と「そのうちネットした回数」を一緒に数えます。長い球や無回転もまとめると、どの条件で失敗したかがぼやけます。回転を判断できなかった球は、無理に分類せず「判断できず」と別に残してください。
その結果、短い下回転だけで失敗が集中しているなら、次の練習は相手にその球を一定のコースへ出してもらい、返球を確かめます。初めからコースを全面に散らしてもらうより、球の見方と返し方を比べやすくなります。1セットではラケット角度など修正点を一つに絞り、コーチに見てもらう場合もこの条件を伝えます。
練習では入るのに試合では入らない場合
固定した球で改善したら、次は「下回転か、回転を抑えた球か」を相手に選んでもらうなど、判断を一つ追加します。ここで難しくなったなら、単に同じ返球を反復するだけでなく、球を見分ける段階が課題候補になります。球速やコースまで同時に変えず、何を追加すると崩れるかを探します。
最初に試した練習も、もう一度やってみてください。練習が難しくなったため成功率が下がったのに、「上達していない」と誤解するのを防げます。少ない本数の上下で結論を急がず、数回分の記録と試合での使い心地を合わせて見直しましょう。
11一つ変えて、もう一度試す

- まず10球打つ:同じ球を10球受け、成功、ネット、オーバー、コース外を分ける
- 気づいたことを書く:結果から「打球後に中央へ戻れていない」など一つだけ書く
- 一つ工夫してみる:構え、打球位置、戻りのどれか一つを2回の練習で試す
- もう一度10球打つ:最初と同じ10球を行い、数字と動画を比べる
数字が改善しても、球速や相手が変わっていれば同じ比較にはなりません。反対に数字が変わらなくても、痛みが減った、姿勢が安定したなど次の観察につながる場合があります。うまくいった日も難しかった日も、練習内容と一緒にメモしておきましょう。
121ヶ月の練習の進め方
| 週 | 行うこと | 記録すること |
|---|---|---|
| 1週目 | 試合やラリーから対象場面を一つ選ぶ | 同じ失敗が起きた3場面 |
| 2週目 | 同じ回転・コースの球を10球打つ | 10球の内訳と短い動画 |
| 3週目 | 一つの変更だけを試す | 変更前後の結果、疲労、痛み |
| 4週目 | 2択またはサービス開始へ条件を広げる | 固定練習との差と次の課題 |
1ヶ月で終わらなくても大丈夫です。ときどき振り返りながら、うまくいった練習は続け、難しかった練習は少しやさしくしてみましょう。
132週間の見直しシート
| 項目 | 1回目 | 2回目 | 見直し |
|---|---|---|---|
| 対象場面 | |||
| 固定した条件 | |||
| 10球中の結果 | |||
| 動画で見た1点 | |||
| 体調・用具 | |||
| 次に変える1点 |
変化が見えなくても、努力が足りないと責める必要はありません。練習の難しさや、比べている球が自分に合っているかを見直してみましょう。自分だけで原因を分けられないときは、指導者に「どの場面で、何を試し、どうなったか」を記録ごと見せると相談しやすくなります。
14うまくいかない日に振り返りたいこと
結果が悪い日には、次の順で一つずつ問い直します。
- 失敗は同じ場面で起きているか
- 相手の球質やコースは毎回そろっていたか
- 目標は「入れる」か「次球へ戻る」か明確だったか
- 体調、睡眠、練習時間、用具に変化はなかったか
- 前回と今回で変えたものは一つだけだったか
原因が複数ありそうなときは、最も安全で変更しやすい条件から一つ戻します。例えば、速度を下げる、コースを固定する、休憩を増やすなどです。急に練習量を増やしたり、痛みを我慢してフォームだけを変えたりしないでください。
15指導者へ相談するためのメモ
相談時は「バックが苦手です」ではなく、「バック側へ同じ下回転を10球送ってもらうと、ネットミスが6球あり、疲れると姿勢が起きる」と伝えます。短い動画を共有する場合は、撮影者と周囲の人の同意、施設のルールを確認します。専門家の助言を受けたら、次回はその助言を一つだけ試し、結果を記録します。
相談メモには次の6項目を入れます。
- いつ、どの場面で起きたか
- 相手の球種、回転、コース
- 10球または1ゲームの結果
- 自分で試した変更と、その前後の差
- 使用用具を最後に変えた日
- 痛みや体調変化の有無
この情報があれば、指導者も抽象的な「もっと振る」ではなく、観察した場面に沿って提案しやすくなります。助言を受けた後も一度に複数を試さず、どの変更が結果へ関係したかを残します。
あわせて読みたい: 基本技術5つ / 一人でできる卓球練習 / 初めての大会ガイド
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よくある質問
Q. 毎日練習すれば伸び悩みを抜けられますか?
練習量だけでは判断できません。課題、球質、疲労、痛み、用具変更などが重なるため、まず同じ条件で10球または1ゲームを記録し、一度に変える項目を一つにします。痛みや体調不良がある場合は練習量を増やさず中止してください。
Q. 練習では入るのに試合で入らないのはなぜですか?
試合ではコースや回転が一定でなく、サービス・レシーブから始まり、得点や待ち時間も加わります。フォームが原因と決めつけず、固定練習、2択練習、サービスからの練習、得点付き練習の順に条件差を一段ずつ増やします。
Q. 伸びないときはラバーを替えるべきですか?
摩耗や破損がなく、用具だけが原因と確認できていないなら、フォーム変更と用具変更を同時に行わない方が比較しやすくなります。現在の用具、練習条件、10球の結果を記録してから、一つだけ変えて、打ちやすくなったか比べてみましょう。
VERIFICATION
参考にした情報
メーカーの基本技術解説と日本卓球協会のルールを参考に、練習の振り返り方をまとめました。記録表の数字は書き方を示す例で、実際の練習成績ではありません。
確認した情報源
- ようこそ卓球 基本技術編 フォアハンドロング(左利き)株式会社タマス(バタフライ) / 2026.09.23確認
- ようこそ卓球 基本技術編 素振りとボール遊び株式会社タマス(バタフライ) / 2026.09.24確認
- 基本ルール公益財団法人日本卓球協会 / 2026.08.04確認
記事の作り方や情報の確かめ方は編集方針をご覧ください。
KEEP PLAYING
次に打つ日を
ひとつ決めよう。
気になったことを一つ、次の練習で試してみませんか。



